《第1章》平成5年3月、透析導入

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2.『"内シャント造成術"当日』  3月1日…ちなみに仏滅。  たしか、入院した2月23日も仏滅やったような…。  …ま、別にイイんスけどね(苦笑)。  オペ当日と言っても…朝一の検温の時にナースから、 「手術は午後1時からね」 と伝え聞いた以外は、普段と何ら変わりのない午前中。  毎朝、お向かいの個室から漏れ聞こえてくる、某連続ドラマの主題歌・ドリカムの"晴れたらいいね"をBGMに、スポーツ新聞を隅々まで読破したら、10時過ぎにはデイルームに移動して、特捜最前線の再放送に備える。  ここまでは、もはや完全にルーティン化。  普段通りに昼食も済ませた12時30分、病室で筋肉注射を受けてから、いざ3階・中央手術室へ。  特に根拠は無いものの…勝手に、ストレッチャーで行くものと思っていたんで…ナースが、車椅子で迎えに来た時には少し拍子抜け(苦笑)。  4機中1機のみが指定されている、"業務用"エレベーターで4フロアを一気に滑り降りると…ほどなく目前に迫った、中央手術室の全面ガラス張りの大扉。  その大きさの割には、随分と軽快に開いた大扉を入った所で車椅子から降りて、用意された手術着に着替えるコトに。 …リアルに"いよいよ"な感じ。  ここから先は手術部ナースの案内で、少し歩くらしい。  この中央手術室は、広いフロアの中に幾つもの手術室が設けられているらしく、 「今度ゆっくり、探検させてもらえませんかね?」 とか聞いてみたくなる程、かなり大きな"要塞"の趣。  通された手術室で、 「上がって横になって下さい」  ナースに促されて、上から見るとトの字型の手術台で仰向けになり、左腕を横に伸ばすと…もう気分は"まな板の上の鯉"。  後は捌かれるのを待つばかり。  程なく…手術用に完全武装した[郁さん]と、同じ装いの何人かのスタッフが入室して、室内の空気が一気に張り詰める。  左前腕部を消毒された後、それ以外の部分には如何にも手術という感じの、オリーブドラブ色のシートを被せられて視界も真っ暗になったトコロで、準備完了。 「…では、お願いします」  [郁さん]を筆頭に、スタッフ同士の挨拶が聞こえてきた。  こちらこそ、よろしくど~ぞ。 「今の、痛くなかったか?」  [郁さん]の問掛けに、手術開始を実感した。

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