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げんかんからそとににでると、あたりはまっしろ。
どうやらよるのあいだにゆきがふったようです。
「わあ、きれい!」
「すごいぞ、いちばんのりだ!」
ふたりともうれしそうなこえをあげると、ゆきのなかへとびだしていきます。
さく、さく。さく、さく。
まっさらなゆきのうえにつづく、ふたつのあしあと。
るるる、ららら♪と、あるきながらたのしげなうたなんかもでてきます。
さく、さく。さく、さく。
おかをこえて、こおったみずうみのよこもぬけて。
とちゅうでおひるをたべてきゅうけいして、さらにもりのおくへとすすみます。
さく、さく。さく、さく。
さく、さく。さく、さく。
やがてひがかたむき、まわりがくらくなりはじめるころ。
赤くまちゃんはだんだんふあんになってきました。
だってこんなとおくまできたことなんて、いままでいちどもなかったのですから。
それに、いつもならあうもりのともだちにも、きょうはひとりもあいません。
「ねえ、どこまでいくの?」
「まだまだ。もっとおくだよ」
「ねえ、そこになにがあるの?」
「ひみつだってば」
いつまでたってもおしえてくれない青くまくん。
「どうしておしえてくれないの?」
とうとう赤くまちゃんはおこってしまいました。
「いじわるする青くまくんなんか、きらい!!」
赤くまちゃんはそうさけぶと、つないでいたてをふりほどいてはしりだしました。
青くまくんがとめるのもきかずに。
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