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「はい、じゃあ二十三頁の問三。五分後に当てるから、各自解いてみて」
その声と同時に生徒達は黒板から机に視線を移す。
『…予備校講師も、楽じゃない。早く帰ってビール飲みたいな…』
黒板の端に腰掛け、腕組みをしながら欠伸している講師の心を勝手にアテレコ。
我ながら、馬鹿みたいだけど。
先生とちょうど視線が重なり、ムッとした表情で口を開く。
やば、何か言われる。
「吉岡さん、先生の顔に答えは書いてない。余所見しないで問題解け、当てるぞ?」
急いで机に向かった、振り。
またちらちらと視線を向ける。
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