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「遊女だからですか?年期を終えるまで逃げ出すことは許されない。飼い殺しにされ見世物のごとく並べられた姿、自由になれない籠の鳥」
順序だててその背景をイメージすれば少しずつ籠女の意味がとけていく。
「籠の中の鳥、遊女はいつになったら廓から出られるのか。夜明けの晩…そんな時間は存在しない。つまり、その時はこない。長生きの象徴である鶴と亀が滑る…すなわち死ぬまで。後ろの正面…次に控えた客をいってるんでしょうか」
「上出来だ。そこの馬鹿共と違ってたった二つのヒントでそこまで読み解いたか」
晶は立ち上がり葵へ歩を向ける。
「これが我が部の活動だ。古くより伝わる唄に限らず昔話や伝説。その真実を読みとく」
真実を読みとく…。
かごめ。籠女。まるでパズルのピースがはまっていくかのような錯覚を覚えた。
そんな部なんだ、ここは。
「合格だ。貴様の入部を認めよう」
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