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それは一瞬の出来事だった。
機動風紀が殴り掛かった瞬間、男がプロテクター越しに鳩尾に蹴りを見舞ったのだ。
機動風紀のプロテクターはケプラー繊維のボディアーマーにFRPの板を張り合わせ頑丈な作りをしているのだが、男の蹴りの衝撃までは防ぎきれなかったようだ
「そんな大振りのパンチ当たるかよ…さて弱い者泣かして楽しんでるオッサン覚悟は出来てるな」
男が糸川を睨みつけながら近付くと、他の機動風紀隊員が糸川を守るように立ち塞がり、特殊警棒を引き抜き襲い掛かった!
…が、男は体を捌き避けると同時に警棒を持つ手に手刀を打ち下ろした。
「ぎゃ!」「いてぇ!」
機動風紀は警棒を地面に落とし、手首を押さえ痛みにのたうちまわり、糸川は脂汗を垂らし慌てふためいていた。
「き…君なかなかやるねぇ…でも喧嘩する相手を考えた方が良かったよ。君が喧嘩売ってるのは栄光学園で様々な権限を与えられた特別教師の…」
御託を並べてる最中に男は糸川の胸倉を掴んで吊るし上げた!
「く…苦しい!放せ!」
糸川は顔を真っ赤にさせ手足をバタバタとさせ抵抗するが、男は掴み上げた胸倉を放そうとはしなかった
「特別教師だかなんだか知らねぇが権利奮って弱い奴泣かすクソッタレはこの俺が許さん!」
男が怒りの形相で糸川の顔面に拳を叩き込み殴り飛ばした!
殴り飛ばされた糸川は鼻血を垂らしながら「お…覚えてらっしゃい!」と半ベソかきながら一目散に逃げ出した。
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