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逃げ去る機動風紀と糸川を目の当たりにした生徒達は一瞬『わぁっ』と歓声を挙げたが、直ぐに我に返りそそくさと校門を潜って行った。
「なんじゃありゃ」
男は生徒達の行動にぼやくように呟くと、先程機動風紀に絡まれ座り込んでいる男子生徒に「おい大丈夫か?立てるか?」と手を差し延べた。
「俺の名前は村雨虎次郎だ、今日からここに通う事になってる。よろしくな!」
男子生徒は恐る恐る差し出されたゴツゴツとした手を掴み立ち上がると、さながら小動物の様にオドオドとしながら「あ…ありがとう…」と小声で礼を述べると他の生徒同様そそくさとその場を離れようと小走りで駆け出した。
「何だ?ここはあんな奴しかおらんのか?」
虎次郎と名乗る男は頭を掻きながら校門を潜り校舎へ入って行った。
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