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僕はここに訪れた時、腕時計をほとんど見ない。
お気に入りのスポットのどこからでも、あの大きな観覧車のデジタル時計が見えるからだ。
今は、もう少しで十七時になるところ。
約束の十九時まであと二時間もある。
「少し遅いんじゃない?」と少し照れたように笑った君の顔を思い出す。
待ち合わせ時刻を決めたときだ。
これでいいのだと目を合わせずに首を振ったことも、昨日のことのように覚えている。
そんなに長い時間君といたら、心臓が破裂してしまう、と思ったことも。
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