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『君は何故そんなにも必死に星に願うんだい?』
私は男の子に拾われた日から毎日欠かすことなく祈りを捧げている。
声がする方を見ると首についた鈴がリンっと美しく鳴った。
「…どなたですか?」
暗闇に向かって尋ねると、少年はおかしそうに笑いながら答えた。
『私は神だ。』
神…様?
『さて、次は私の質問に答えて貰おうか。何故君はそんなにも必死に祈るんだ?』
姿は見えないが、確かに存在を感じる。
「私には…逢いたい方がいるのです。その方に逢い、感謝の気持ちを伝えたいのですが…この姿では無理なのです。」
私は自分の前足を悲しそうにみた。
私と彼では…生きる世界が違い過ぎて…。
会いに行けない…。
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