序章

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「じゃあな阿近。またそのうち……」 ―――グイッ 「うわっ!」 阿近はアゲハの腕を引いて正面から抱き締めた。 アゲハが受け取った義骸と義魂丸と悟魂手甲は落ちて音を立てる。 「あ……阿近……」 「まだ、返事を聞いてないぞ」 阿近はアゲハの耳元で話し、アゲハはビクッと肩を震わせた。 「阿近……俺は……」 「俺は、お前の全てを受け入れられる。お前の全てを愛せる……」 阿近は抱き締める力を強くした。 「本気だ。お前を愛してる………俺のものになれよ」 「…………………」 アゲハは優しく阿近の腕を解いた。 「ダメだ阿近……俺は……私はまだ怖い……」 「アゲハ………」 「私はまだ……また恋をする気にはまだなれない…………ごめん、返事は保留にしといてくれ」 アゲハは申し訳なさそうに言う。 .
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