旅立ちの街

3/7
前へ
/228ページ
次へ
「これ! 今週の雑誌に載ってたやつじゃないですか!?」 そう言って私が指を指したのは、ガラス張りのケースの中にある高そうな白銀の指輪。 しかも、その指輪の中心にはパールのような純白の真珠が埋め込まれたもので、雑誌で注目の品として紹介されていたものでした。 「なんでこんなとこにあるんですか!?」 「こんなとこって失礼ね。 でもそれレプリカだよ? なんでも養殖とかなんとかでなんたらかんたら……」 「いいんです、これ下さい! いくらなんですか?」 「…あんた見かけと同じでミーハーだね。 25000zid」 ……。 なんだろうか、この刺激的かつ非現実的な響きは。 聞き間違いかと思ったので、とりあえずもう一回聞き返してみたのです。 「いくらなんですか?」 「だから25000zid」 「い・く・ら・で・す・か・? 超美男(ナイスガイ)のおにーさんっ」
/228ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加