10人が本棚に入れています
本棚に追加
「うおっ」
あわててテーブルにこぼれた液体を拭いた。
それに乗じて店内は少し静かになってしまう。
「大丈夫ですか? お客様」
「はい、すみません…あっ」
謝ろうと頭を下げようとした途端、テーブルの上で転がっていたコップが床に落ちてしまう。
コップはガラス製らしくあたりに砕け散ったのだが、その内大きい破片が店員の足に突き刺さった。
「ッ……」
しかし、店員は顔を痛そうにはせず、傷口をふさいだだけだった。
「大丈夫ですか!?」
「大変申し訳ありません、応急処置してきます…」
そう言うと、すぐ厨房の方へ引っ込んでしまった。
「…?」
俺はその光景に何か違和感を感じたが…
「お姉ちゃんごめんなさい…」
淡希が謝罪をしたところで俺はその場の片付けを優先した。
最初のコメントを投稿しよう!