出逢い

11/14
前へ
/228ページ
次へ
「うおっ」 あわててテーブルにこぼれた液体を拭いた。 それに乗じて店内は少し静かになってしまう。 「大丈夫ですか? お客様」 「はい、すみません…あっ」 謝ろうと頭を下げようとした途端、テーブルの上で転がっていたコップが床に落ちてしまう。 コップはガラス製らしくあたりに砕け散ったのだが、その内大きい破片が店員の足に突き刺さった。 「ッ……」 しかし、店員は顔を痛そうにはせず、傷口をふさいだだけだった。 「大丈夫ですか!?」 「大変申し訳ありません、応急処置してきます…」 そう言うと、すぐ厨房の方へ引っ込んでしまった。 「…?」 俺はその光景に何か違和感を感じたが… 「お姉ちゃんごめんなさい…」 淡希が謝罪をしたところで俺はその場の片付けを優先した。
/228ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加