始まりの場所

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「どーしてもだめなの?」 中学とは思えない童顔の上目遣いで係員に言っているが、 「20才未満の方はもう一つ承諾書がないと…」 「身分証明書ならあるがこれじゃだめなのか?」 「これですか…、えーっと 波月破空(なみつき はく)さんと 同姓で次男の淡希(あわき)さんですね。 分かりました。 バンクと照合致しますので少々お待ちください」 そう言うと、係員はタッチパネル式のボードをとり出して操作し始めた。 暫くして、 「はい、身分証明書に誤りはないようです。 ただ…」 「分かった、承諾書な」 「お分かりいただければ良いのです」 結局ゲートを通るには、理事長の印と保護者の了承がいるらしい。 「じゃあしょうがないね、兄ちゃん。 ちゃんと用意してから来よう?」 「すみません、もう一度足をお運びください」 係員は申し訳なさそうに深々と頭を下げ、俺たちに詫びた。 「はいはい。 じゃあまた会えたら会おうな、係員のお兄さん……」 「――え?」
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