始まりの場所

7/7
前へ
/228ページ
次へ
「はぁ…はぁ…、はぁ…」 「はぁ……、ここまでくりゃ平気だろ…、ゴホッゴホッ!」 膝に手をつき、酸素不足になった身体を落ち着かせる。 イーストサイドエリアは地平線にそって小さく見える。 「…もう! 兄ちゃんなんであんなことしたの!?」 息はもう落ち着いたみたいで、先ほどの行動を淡希はこちらに問いただしてきた。 「他に方法が思い着かなかったし、これが一番早くて済むかなぁー…、なんてな」 「なんてな、じゃないよ! 最近人殴ってばっかりだよ、兄ちゃん…」 淡希は悲しそうにそっぽを向いてしまう。 「あー、わるかったわるかったよ! ちゃんと謝るからさ」 「じゃあどうやって謝るの…?」 「そりゃあれだよ、また戻って…」 そう言ってイーストサイドエリアへ向きなおした瞬間だった。
/228ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加