神様がジジイとかベタだろ

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 俺の名前は不二琢也(ふじたくや)、高校三年生。  168センチの身長は少し物足りなく感じる今日この頃、180とは言わないがせめて170センチは欲しいと誰にでもなく憤慨してみたり。あえて言うとしたら神様にかな、何故あと2センチ頑張らなかったのかと。  とまあ神様もそんな事は言われても困るか、俺が神様ならキレるね。  体重は58キロと痩せ気味、少し長めのツーブロックにした髪型は今日もサイドが激しく自己主張している。  顔はまあ普通……モテない。  受験をあと数ヵ月後に控えたごく普通の一般市民だ。  少し今までの人生で特筆するべき場所があるとすれば昔、ベタベタなオタクだったってくらいか。  そりゃあ凄かった、何せ知人友人ならいざ知らず最終兵器母すら俺に引いてたからな。  邪気眼発症並びに中二病という不治の病に侵されていた、否、犯されていたのだから手のつけようがない。  しかしまぁ、高校入学の時に引っ越しをしたのを機にいわゆる高校デビューってやつをしてみたらそれが思いのほか上手くいったのだ。  それ以来すっかりリア充になっていた俺なんだが、一つ問題が起こった。 「え、俺ってさっき死んだよな?」  記憶をたどれば急に突っ込んできたトラックが最後なのは覚えている。  その直後意識が途切れて目を覚ますと自分の部屋にいるだと?  わけもわからずボンヤリとしていると部屋の外から足音が聞こえた。  足音の主は部屋の前まで来るとそのまま扉を開いて部屋に入ってきた。  部屋に入って来た人物を見てついに俺も頭がおかしくなったのかと思ったがそうではないみたいだ、入ってきたのは紛れもなく───── 「俺!?」
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