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澪side
昼休みも終わり、騒がしかった校内も静まりかえり、チャイムとともに授業が始まる。
次は、俺の授業がないから、暇になる。
俺は、学校の庭の木の下で、生徒達のためプリントを作っていた。
ヒラリ…
と、パソコンをいじっていた手の上に紙くずが落ちる。
「これは…」
例の紙くずか…
「まぁ、読んでみて損はないよな。」
紙くずは綺麗に折りたためられてホッチキスで止めてあったので、紙くずを傷つけないようにホッチキスを取って、見た。
「…………」
内容は、
『あなたに、幸せが届きますように…』
と書かれてあった。
「………………なにが、失礼な事だよ………逆じゃねぇーか…」
俺はそういいつつまた紙くずに目を落とす。
ふっと、姫条の顔が思い浮かぶのは気のせいだろうか。
何故、これだけの言葉でこんなに幸せな気持ちになるのだろう…
会いたい…
姫条に会いたい。
何故だかわからないがあって、確かめたかった。
この気持ちを…………
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