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「?」
雪野は黄色い落ち葉の上に広がった黒を見つけた。
どうやら長い髪の毛だ。
「あれか?」「……それ」
「そうか」
雪野はそこへ近づき、一本の木の横に立った。
そこにいたのは、長い黒髪をもつ少年だった。
「(……)」
特に彼は人形のような容姿に雪野は目を見張った。
持ち前の勘の良さで男だと認識出来たが、きっとそれが無きゃ間違えていた所だろう。
それにしても、その少年はただ静かにしている、
というわけでなく木に寄りかかって、くぅくぃと寝息をたてていたのだった。
「寝てるのか?」
「……」
少女はいつの間にか雪野の反対側から彼を眺めた。
「おかい、もの。つかれた……て」
「はぁ」
一体自分に何を求めているのかわからない。
雪野は頭をかかえたくなったのを我慢した。
「起こしてくれ」「……や」
「やって、嫌って事か」
「……そう」
「そうって」
雪野はついに頭を抱え唸った。
まぁ抱えても何かから逃げれるわけもないが…。
そして、それを見かねた少女が彼を助けるわけでもなかった。
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