7人が本棚に入れています
本棚に追加
もう死んでもいい。
どうせ飛行機事故で死んだんだ。
今さら、こんな暗闇の世界で
生きていたって意味はない。
開き直ったラクトは体が楽になる。
だが、動こうとはしない。
2体のバケモノを交互に見る。
よく見ると、後ろにいたやつは
小さな丸い赤い目を光らせていた。
もう悔いのないラクトは
バケモノに声をかける。
ラクト
「もういいだろ?早く楽にしてくれ…」
バケモノ達に言葉が
通じるかは分からない。
それでも話が通じたかのように、
バケモノ達は影のような腕を上げる。
ラクトは目を閉じる。
飛行機の時は時間がなかった。
今まで出会った人たちを思い浮かべる。
バケモノ達の腕が振り下ろされた。
最初のコメントを投稿しよう!