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帰り道、突然のにわか雨にやられてしまった。冷えた体を早く暖めたいのと、時計が22時を回るのとで、瑞希はだいぶ焦っていた。
給湯ボタンを押して、バッグの中にある携帯電話を取り出す。
「受信1件」
また瑞希の焦りが増してくる。
受信を確認すれば、すぐに返信をしたくなる。返信をしたら、また受信を待ちわびてしまう。でも早く返信しなければ、彼が寝てしまうかもしれない。そうやって考えれば考える程、胸は高鳴る。携帯電話を握り締めるその手は、熱く火照ってしまう。
そんな自分を瑞希は少し好きになり始めていた。そんな自分がいることに、初めて気がついたからかもしれない。
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