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『あっ。有重さんもよろしくお願いします。』
私は鼻で笑われても気にしない。
有重の機嫌が悪くなったら私の仕事が今日はなくなるし………。
私は自分でも穏やかに挨拶をしたと思った。
『あぁ。せいぜい毎日頑張って下さい。』
と私と目を合わせることもないまま嫌味を言われてしまった。
『がんばります。』
とわざとガッツポーズをしてみせた。
他のメンバーは笑ってたけど、有重は笑ってはくれなかった。
『あの……休憩中なのにすみませんけど、少しインタビューいいですか??』
私はメンバーを一人一人眺めながら聞いた。
『いいですよ。今回のテーマはなんですか?』
私は資料に目を通す。
テーマが分からないからじゃなくメンバーの確認のためだ。
プロフィールを盗み見ると、今話してくれたのはリーダーの『優歩』だ。
『ありがとうございます。今回のテーマは受験も近いので、努力についてです。』
と私は優歩を見て答えた。
『努力か~』
と何人かのメンバーが同時に言った。
私は笑ってしまう。
『仕事ちゃんとしたら??』
と有重からキツイ一言が飛んだ。
私は一瞬ムッとしそうになった。
『すみません。でもインタビューは楽しく語ってもらいたいし、楽しくやりましょうよ~』
と私は有重に向かって、と言うよりみんなを見ながら言った。
『ふ~ん。まっいいけどね。』
と言いながら有重が少し笑っていた気がした。
その後、スムーズに何個か質問に答えてもらうと……また収録に入る時間になり時間つぶしに私は先輩と近くの喫茶店に行くことにした。
本当はTHSKの歌を聞きたかったけど……
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