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先輩と色んな種類のスムージーが置いてある店に入ると、二人でメニューを眺めた。
種類が多くて、私はこのスタジオに来る時には必ず寄ろうと決めた。
なんとか飲み物を決めて注文したあと先輩が私をマジマジと見た。
『先輩??どうかしましたか?』
私は首をかしげながら聞いた。
『いやさ~不思議だなって思って。』
先輩も首をかしげる。
『何がですか??』
私は気になってすぐに質問した。
『有重くんが、素直にインタビューに答えてる姿なんてなかなかないからさ。』
先輩がう~んと腕を組みながら言った。
『そうなんですか?機嫌が良かったからじゃないですか??』
私は、有重の顔を思い浮かべるとなんだかまたムッとしそうになったけど先輩には分からないように下を向いた。
『初めて担当になった子のインタビューに答えたのは、優奈ちゃんが初めてかもよ……すごいわ』
と感心しながら先輩はまだ私を見ていた。
『私は何もしてませんよ…』
と答えながら運ばれてきたイチゴのスムージーを飲んだ。
『これから期待しちゃおう♪』
と楽しそうに先輩が言った。私は何も答えなかった。
有重は相手がムッとすることをわざと言ってた気がしたから、私もムッとしたのは確かだけど気にしないと……
インタビューの間に決めたのだ。
彼なりの、有重なりのコミュニケーションのような気がしたから。
まぁ勝手に私が都合良く解釈してるだけかもしれないけど……
でもそう思ってた方が私も楽だしね~。
と気持ちを切り替えるとイチゴのスムージーをゆっくりと味わった。
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