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またスタジオに戻ると、さっきとはまた違う曲を歌っていた。
私は鳥肌が立ったし、また涙が流れそうだった。
こりゃCD買うしかなさそうだな。
私はもう吸い込まれるようにみんなを見ていた。
すると……
有重と目が合った気がした。
気のせいかと思ったけど何度も目が合う。
私は気になりだして、チラチラと有重を見る。
何回か目が合ってるうちに一度、有重がウィンクをした気がした。
でも私は自分の妄想かと思って目を閉じて頭を左右に振ってまた有重を見たけど、また目が合う。
私、なんか変なのかな??と自分で確かめてみるけど、さっきと変わりはなかった。
収録も終わり、私はメンバーに駆け寄ると
『めちゃくちゃ素敵でした~』
とみんなに握手を求めた。
有重も握手をしてくれたけど、
『あんまり俺ばっかり見てるとみんなに俺が好きだって気づかれるよ??』
と耳元で言われた。
私は、耳まで赤くなる。
私は有重が好きなわけじゃない。
でも、私が見とれてたから最初に目が合ったんだと気づいてしまったから。
『好きじゃないですよ』
と力なく小さな声で反抗したけど
『別に隠さなくてもいいよ。』
と言い逃げされた。
私はさっきよりムッとしながら赤くなる。
けど、大きな声で反抗出来ないから……
行き場のない感情をグッと両手に力を入れて堪えた。
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