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佐藤さんと2人で、会社の6階のフロアでコーヒーを飲みながら……
朝日を眺めていた。
『やっと終わったね』
と佐藤さんが遠い目で、朝日を見つめてる。
『本当、毎月のことなのに慣れませんね……』
と佐藤さんをチラッと見ながら答えた。
希望しているファッション雑誌の編集部に行けたとしても……締め切り前日の忙しさがなくなる訳じゃないから不満な訳じゃないけど、
自然とため息と欠伸は出てしまう。
佐藤さんと2人同時に欠伸をして、目を見合わせた。
『優奈ちゃんさ…部署が移動になるかもよ。』
と佐藤さんがジッと私を見つめながら言った。
私は、グルメ雑誌も気に入ってるのに……
また違う部署に移動か…
と肩を落とした。
『ガッカリはしなくていいかもよ?』
と佐藤さんはニヤニヤと笑った。
『どういうことですか??』
私は首をかしげた。
『私も前からファッション雑誌の部署に行きたかったじゃない?』
私と佐藤さんは2人でファッション雑誌の部署に行きたいという夢を良く語っていた。
『はい。いつか佐藤さんと一緒にファッション雑誌の部署で働けたら最高です。』
と佐藤さんと語ったことを思い出しながら答えた。
『それが叶うかもよ。』
佐藤さんは、さっきよりニヤつきながら私の手を取った。
『えっ??』
私は佐藤さんに両手を握られたまま目を見開いて聞いた。
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