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自宅でシャワーを浴びて本庄家に行くとエプロン姿の聖さんが出迎えてくれた。
「いらっしゃ~い。礼ちゃん、咲ちゃん。」
「今日はありがとうございます。聖さん。助かりました。」
「ありがと。聖姉。」
昔は僕も『聖姉』と呼んでいたのだが、いつの間にかそう呼ぶのが恥ずかしくなって、『聖さん』と呼ぶようになった。
これが男女の意識の違いってヤツなんだろう。
そういえば、咲も愛も昔は僕のこと『お兄ちゃん』って、呼んでたっけ。いつの間にかなくなったけど。
リビングに入ると涼しい風が僕達を包み込んだ。
しばらくして、愛がいないことに気づく。
「愛は?」
「今、キッチンで何か作ってるよ。」
僕の質問に聖さんが続く。
「…あいつ、料理出来んの?」
「さぁ~。」
おいおい、大丈夫なのか?
少し心配になって、キッチンへと向かった…
…時にはもう遅かった。
その状景を言葉にするには僕の中の国語辞典では不足だった。
ただ、あえて一言で言うなら…
「…地獄だ。」
後にこの事件は『本庄家炎上未遂事件』として、ご近所で話題になった。
他にも愛は『大掃除内壁破損事件』など他多数、似たような伝説を残していた。
故に、僕達兄妹と聖さんは怖いほどわかってしまった。
…愛に家事をやらせてはならないと…。
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