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丁度、学校に着いてしまって、それを言うと彼女は「バイバーイ。」といって三年生の下駄箱へと姿を消した。
気になって、見上げてみる。
そこには、いつまでも続く、憎たらしいほど蒼い空が広がっていた。
「西垣さん?」
授業を終えて、僕は愛に呼び出され、人気のない中庭に来ていた。
「…そ。西垣 あやめちゃん。あの、バスケ部で一年でエースになった娘。」
そして、何故か知らない後輩女子の個人的な情報を教えられている。
「…ちょっと待ってよ、愛。…なんで僕にそんな西垣さんの事を話すんだ?」
愛は一度目を見開いて、「…はぁ…。」と大きなため息をついた。なんかムカつく。
「なんで解んないかなぁ。空気で理解しなさいよ。」
…無茶言うな。
「この先でそのあやめちゃんがいんの!」
訳が解らない。
「…なんで?」
その言葉が相当頭にキたのか、「自分で聞いてきなさい!」といって、どこかに行ってしまった。
…まぁ、いいか。
桜の木の下には、端正な顔立ちでスレンダーな女の子が顔を真っ赤にして立っていた。
…まぁ、そんな事だろうと思ったけど…。
「西垣さん…だよね?」
「…ひゃ、ひゃい!」
…どんだけ緊張してんだ。彼女はぷるぷると震える手で可愛らしい封筒をこちらに差し出した。
「…あの…、私と付き合って…くれませんか?」
…カリカリ…。
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