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「あー!  知念くんが裕翔くん  泣かせてるー!」 ああ 余計な声が…… 「龍く~ん?  なあに  言っちゃってんのかなあ?」 立ちあがって腰に手を当てて 思いっきり笑顔を作って言うと 本人だけでなく楽屋中の空気が ピンと凍りついた 「い…いや   な…んでも…ない…です」 しどろもどろに答えて お菓子を口いっぱいに 頬張りだした龍太郎を無事に 退治したということで 僕はそのままくるっと振り返って 裕翔くんを見下ろす 「素直になりなよ 裕翔くん」 頭を撫でてあげると しゃくりあげながらも  何度も頷いてくれる .
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