道案内

6/6
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
最後に、病院の前には昇り階段があった。 もちろん、僕は階段があることを伝えることができた。 しかし階段のあとにもう一つ、今度は下がる段差が一つあることに気がつかなかった。 小さな段差だから、ついつい見逃してしまった。 でもその人は慣れているのか、少しびっくりして、それでも普通に歩いていった。 最後に自動ドアが二つあって、その手前で止まった。 中に警備員の人がいたから、あとはその人に聞けばいいと伝えて、その人の歩く後ろ姿を見ていた。 その人は自動ドアを一つ抜けた後、僕に会釈をした。 僕も会釈を返したつもりだけど、多分見えてなかったと思う。 そして、二つ目の自動ドアは、そのまま真っすぐ歩くとぶつかっていただろうけど、盲導犬が上手く避けて、ぶつからなかった。 あとは、警備員の人が上手く見つかったみたいだから、僕は家に帰った。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!