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硝子の原石。
ワタシはそう例えた。
キラキラと輝くその心は
宝石には遠く、石ころにはなりえない。
磨かれていないその心は
うつろい
さまよい
苦しみを
たやすく感じ取る。
それ故に可能性をひたむきに探り当てる。
例え今が夢の始まりだとしても。
望んでいない結果だとしても。
ただただ、可能性を掴み取ろうと必死に走るのだろう。
自分では、気が付かないその光を
いつか周りが気づいてくれるまで
砕け散らないように、繊細に
けれど全力で
少年は今日も笑う。
―――「硝子の原石」―――
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