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私立初音学園高等部――……。
「初音自由(ハツネミユウ)です。よろしくお願いします」
カッカッと、女教師が俺の名前を黒板に書く。
「では、皆ぁ転校生イジメとかはしないようにー。はい、終わり。あ、初音くんは窓側の1番後ろの席ね」
あっさりと、朝のホームルームは終わった。
視線を感じながら、指定された席に向かう。
隣席の男が話しかけてきた。
「なぁなぁ、初音自由くん」
人懐っこい笑顔を浮かべた男。
顔を見た瞬間、あぁこれがイケメンか、と思った。
「なに?」
「運命を感じない?」
いやいや。
感じない。
男に運命とか言われましても。
「はぁ?」
「初音学園に来た初音くん。そして、名前が自由ときた!」
「はぁ」
な、なんだ。こいつ……。
勝手に興奮している。
呆気にとらわれていると、手を掴まれた。
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