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外にでて一度だけ眼鏡を外して
大きく背伸びをする。
「…きもちいいな」
元々、運動神経が悪いせいか
あまり外にはでないし
猫背な私には、良い運動。
「あ~っと砂也っ、いたよ。はじめ君」
開放的な気分の私を
びくっとさせる
「あれ、またきてんじゃん。清田さん」
―『清田さん』―
はじめ君の彼女さんで
野球部のマネージャーをしているらしい
私よりひとつ上の学年だから二年
巻かれている髪の毛はフワフワで
マネージャーなのに肌は真っ白な
抱きしめたくなるような女の子。
私とは正反対―。
「砂也~
清田さんからはじめ君奪ってやんなよ」
「…はぁ?」
「だーかーら奪うのっ。あたしは親友が
ずっと片想いしてんのみてらんないよ」
「無理ですね」
「いや、即答すぎ。」
だってそう
はじめ君とは入学式からいまのこの時まで
一度たりとも話した事がない
まったくの他人だし。
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