序章

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N県H馬山ー 何年か前冬季オリンピックの舞台にもなった場所で今でもウィンタースポーツの盛んな場所だ ラージヒルのジャンプ台にほど近い場所に小さな山荘があった、電気は通っているだろうが照明器具は一切灯っておらず、暖炉の炎だけが部屋を照らしていた。 「寒いわねぇ、もう少し暖かくしてよ。」 声からすると女性のようだが、毛布を頭から被っていて、ネコ科の動物のような目だけが鋭く動き、窓際に立つ男に視線を投げた。 「薪はそこにあるだろ?だいたい1月のN県にそんな格好で来たお前が悪い。」 男は冷たくあしらう。
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