序章

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「ちょっと待ってよ!ドアを開けるの?」 「当たり前だろ、その為に待ってたんだから。」 それもそうね、といった顔を見せ、ガタガタ音を立てながら、ソファーごと暖炉の前に移動した。 ドンドンとドアを叩く音がして、続いてドアが開いた、外からの冷気が部屋の空気を侵食する。 「なんだよ、鍵かけてなかったのか、泥棒が来たらどーすんの?」 入って来た男は山道を走って来たようだ。 軽口を叩きながらコートを脱ぐ、シャツの上からでも鍛え上げられた体躯の持ち主であることが判る。
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