3 恋の自覚

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うんざりしたように、太郎くんの問いかけにうなずく遙。  どんな女の子なんだろう? スズコって。 「イライラしてて、誰でも良かったんだよ。 まさか、そんなにお喋りと思ってなかったしさ」 観念したのか、やっと喋りだした遙の言葉を遮るように、私の声が重なった。 「誰でも良かったって………彼女じゃ、ないの?」 遙は思い切りその顔を歪めながら、私を見た。 「お前さっきから一体何だよ?彼女彼女って!そんなにオレに彼女がいて欲しいのか? 必要ないことまで暴露しやがって!!」 また、怒らせた! 肩が竦む。 遙が、怖い。  どうしよう………。 戸惑う私に、太郎くんがさらにドツボにはまるひと言をくれた。 「オレら、今日は帰るよ。後は、二人でゆっくり話せば?」   …………お願い、二人にしないで! 遙が、怖いんだってば!! 心の叫びも虚しく、三人は帰り支度を始めた。 「じゃ、行こうぜ」 それぞれがドアの向こうに消えて、閉じかけられたドアの隙間から、佳織ちゃんの声が最後に届いた。 「あんまり鈍いと、女にモテないですよ。先輩」
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