4 ファーストデート

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 遙は私のペースに合わせてゆっくりと歩いてくれる。 当初予定に入っていた、ボウリングはミニスカートをはいてきたせいで、没になってしまった。 別に友達とかとプレイする時とか気にせずにしてたから、平気だと思ったのに、遙は断固として反対した。 「お前がそんな短いのはいてくるから、飯までかなり時間あるじゃんか」 「だから別に平気だって!今からでもいいからボウリングに行こうよ」 隣を歩いていた遙は、その場に立ち止まり、私の腕を引き寄せる。 「女だって自覚ある? そんなスカートでボウリングしたら、絶対見えるだろ? 他のヤツが、志緒理のスカートの中覗くなんて、オレ許せない」 怒ったような顔で、真剣にそう言う遙の独占欲が、私の心をくすぐる。 もう、うなずくしかできなくなってしまう。 「わかった。こんな短いのでゲームしないようにする」 遙は、満足そうに微笑むと私の頬にキスをした。 「よくできました!」 ムッ。 何気に、子供扱いされてない、私? 「遙、生意気だ!」 「何でだよ?」 さっきとうってかわって、明らかに不機嫌になった遙の声。 低いトーンの時は、たいてい怒ってるんだよね。 「だいたい、少しパンツが見えたくらい何よ? 別にいいじゃない!ソレなのに、そんなに怒るし」 ああ、怒ってるのが分かってるのに、止まらない。 せっかく、初めて二人でデートしてるのに、なんでケンカなんかしなくちゃならないの? わかってるけど………。 生意気なんだもん! 「志緒理、男をわかってなさすぎ! お前のスカートの中身をオカズにされてもいいのか? 色んな事想像されて、ドンドン妄想が広がって、そのうちソイツの頭の中で何度も犯されるんだぜ?」 …………。 …………。 …………。 「そんなこと………」 私は男じゃないしわからないけど、ホントにそうなの? 「志緒理はいいんだ。オレ以外の男に、例えバーチャルでも犯されて」 え? 「それは、いや」 でも、ただパンツが見えたくらいで、そこまでするかなぁ? 「疑ってるだろ? でも男なんてそんなもんなの! オレだって、何度も志緒理でヌイてるもん。 もう、オレの中では毎日お世話になってます!って感じだぜ?」 …………。 ダメだ。 ごめんなさい。 参りました。
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