4 ファーストデート

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でも、違うんだよ。 不満に思ってるのは、そんな事じゃなくて………もっと、こう………。 奥深い、根本的な事のような気がするの。 私の知らない遙を知りたいと思う反面、心のどこかで未知なるモノへの不安が存在している。 「女の子って、かわいらしい茶店とか好きだろ? この辺りに、そういう店あるか志緒理知ってる?」 私は、目覚めつつある不安を無理矢理心の奥底にしまい込みながら、なるべく楽しい事だけを考えるようにした。  せっかく、遙とつき合えるようになったのに……。 「うーん、あんまり寄り道とかしないから、知らないや」 「そっか、オレが良く行く所はヤンキーばっかりだから、危ないし…どうしようか?」 遙の言葉の後半部分は、聞いてなかったのかもしれない。  遙が良く行く所? 何処? ソコがいい! 普段の遙って、どんな感じなんだろ? 「行きたい!」 「え?マジっすかぁ」 私は大きくうなずいた。 マジっす!大マジっす!! 「遙のお友達とかも、よく行ってるんでしょ?」 遙は、首をひねりながら笑った。 「いや、お友達じゃなくて、仲間な。 この前会った太郎が、魔怒の隊長なんだ。 もう一人いたいかつい方は、大胡(だいご)旗持ち。一つ下の2年なんだけど、やたらとバイクの運転が上手いから、先輩を追い抜いての大出世」 太郎くんや、大胡くんじゃなくて、遙はどういうポジションにいるんだろ? 族の地位ってわからないけど、きっと偉いと思うのよ。 よく、遙の家の前で後輩たちが待ってたりしてるのを見てたし。 「だいたい、総勢30人くらいかな? ギャラリーとかいれると、もっとになるけど、ちゃんとメンバーなのはおいおい紹介してくから」 30人? ソレって、学校の一クラス分くらいの人数じゃない。 凄いなぁ。ヤンキーってかなり健在なのね。 「ね、ギャラリーって何?」 「ん?ファンみたいなモノかな? 走ってる時に、周りからついて来たり、遠巻きに見たりするやつら」 うーん、じゃあ佳織ちゃんもギャラリーの一人なのかな? 「私もギャラリーする!! 遙が走ってる所、見てみたい」 遙は驚いたように、目を見開くとすぐに微笑みに変えた。
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