5 いざ出陣

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今、帰ってきたんだ。 シート作りに熱中してたせいで、気が付いたらもう夜中の1時だった。 こんな時間まで、何をしていたんだろうか? 「志緒理、まだ起きてたんだ。ただいま」 開けぱなしにしていた窓から、遙が声をかけてくれた。 「お帰り、遅かったんだね」 「ああ、かなり疲れた。もう寝るわ、おやすみ」 何をしていたのか、知らない。 だから、遙がどれだけ疲れてるかなんて想像もつかない、でも…………。 もう寝ちゃうの? 別に遙が帰ってくるのを待っていたわけじゃないけど、でも、もう少し何か言葉があってもいいんじゃないのだろうか?  取り残された気分。 一人で、恋愛しているようなカラ回り。 私が遙を好きな程、遙は私を好きじゃないかもしれない。  なんか、胸が苦しいよ。 みんな、こんな思いを抱えながら恋愛してるの? 楽しいだけじゃないの? うれしいだけじゃないの? これじゃあ、片思いしてた時より切ないじゃない。 遙を思うだけで、胸が苦しくて、涙がこみ上げて来そうになる。 なんで、私はこんなにも遙が好きなんだろう?  いつも自然と遙は私の話相手になってくれていた。 中学の修学旅行の前日だって、緊張して眠れないと、窓から遙が緊張をほぐしてくれた。 受験の前日も、参考書片手に問題を出してくれた。 要所要所で、遙は絶対に私を見ていてくれたのが、今ならわかる。  恋人になったんだから、毎日、毎晩、毎朝私を見ていて欲しいって思うのは、贅沢なの? 今まで以上に、私の事を考えて欲しい。 私だけが、恋に溺れていきそうだ………。 「おっはよ!どうしたの、真っ赤な目して」 恵美はめざとく、結局色々と考え込んで眠れなかった私の目を見た。 「なんか、淋しくってさ」 「なんで、淋しいかなぁ? 恋人になりたてで、ラブラブまっさかりって感じじゃないの?」 ラブラブ? そういう雰囲気じゃないんだよね。 なんか、幼なじみの延長線でつき合い出したって感じがいまいち抜けてないのかな? 「お互い好きって気持ちはわかるんだけど、ラブラブって感じじゃないと思うの……」 そう、遙には私より仲間といる方が楽しいのかもしれないとか、疑いたくなってしまう。 どうなんだろう。
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