5 いざ出陣

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せっかく人が覚悟決めて、エッチしようと思ってるのに、早く一人にならないのよ?? イライラとしながら、ベッドで本を読んだりしている間に、時間は過ぎる。 気が付けばもう1時だ。 遙の部屋は、まだ電気は点いてるものの、もうざわめきは聞こえなかった。 あれ? もう、みんな帰ったのかな? 起きあがって、遙の部屋を覗くと遙もまた窓からコッチを見ていた。 「志緒理、もう眠い?」 バックライトとでも言うのだろうか? 窓から見える遙の姿は後ろからの照明で、輪郭が優しく見える。  鋭く整った眉に、しっかりとした意思表示をする眼光鋭い目。 「ううん、大丈夫起きてたよ。もう、お友達は帰ったの?」 遙はニッコリと笑った。 「1時間くらい前にな。それから風呂入って、今上がった所」 そうなんだ、本読んでいたから気づかなかったや。 ああ、久しぶりに遙とゆっくりとお喋りできそうな雰囲気。 「昨日は、マジごめんな。しかも今日もこんな遅くなるまで喋れなかったし」 すまなさそうに上目遣いで謝る。 その表情が、とてもかわいらしくて、私はさっきまでの怒りもどこかへ飛んでしまいそうになった。 「気にしないで、友達との時間も大切だもんね」 ああ、口が勝手に動いてしまう。 全然そんな事、思ってもないのに………。 ホントは友達よりも私をかまってよ!!と強く思っているのに、ついつい大人ぶった対応をしてしまう。 「オレは志緒理との時間も大切だと思ってるよ」 ホントかしら? だったらなぜ、私を優先してくれないの? ああ、そう言えたら楽だろうに、ついついうなずいてしまう。 「うん。私もだよ」 これじゃあ、いつまでたっても本心なんて打ち明けられない。 「じゃあ、今からコッチ来ない?」 突然のお誘い。 でも、今日は私の部屋に来てもらおうと思って、掃除したんだけどな………。 「危なくない、よね?」 窓の距離は1メートル離れてるかどうかってくらい。 手をのばせば、遙の部屋に触れる距離。  よし! こうなったら、どこでもいいや! 身を乗り出すようにして、窓のサンに手をかける。 再び遙の声。 「やっぱいい!オレが行ってもいい? 危なっかしくて見てる方が怖い」
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