2 子供扱いするんじゃねぇ

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「幼なじみなんだ?」 植山くんは、もう見えなくなったバイクの轍を見つめている。 「うん。お隣さんなのよ」 「ちょっと驚いた、志緒理ちゃんて、ヤンキーな知り合いがいるようには見えなかったから」 …………もしかして、やばくないっすか? 今日の植山くんの服装は、今流行のモノだし、メールとかしてても、趣味とかもそんな感じだった………。 ヤンキーなんて、それこそ時代錯誤な知り合いがいるなんて、ひいちゃうよね? おかげで、その日のデートはなんとなく会話も弾まないまま、終わってしまった。 くっそう! 絶対、遙のせいだ! アソコで遙に会うことさえなければ、上手く行ってたかもしれないのにぃぃぃ!  ああ、イライラする!! 「あら志緒理、早かったのね」 予定より3時間も早くに帰宅すると、ママは驚いた顔していた。 ふん! 「ご飯いらない!」 ソレだけ言って、部屋に入った。 窓を開けて、隣の家の窓を見ると、電気が付いている。 密着した家同士だから、私の部屋と遙の部屋の窓って、空中距離が1メートルくらいしかないのよ。 「遙!いるんでしょ? 開けなさいよっっ!!」 趣味の悪いヒョウ柄のカーテンがサッと開くと、遙がニヤニヤ笑いながら窓を開けた。 「なんだよ、志緒理。えらく早いお帰りだな?」 誰のせいだと思ってるんだ? この野郎。 「外で会っても、私に話しかけないでよっ!」 この前だって友達と買い物している時に、遙と、その仲間たちと偶然あって、そのおかげで友達がひいちゃったんだよね。 そんなことが、何度あったか…。 「なんだよ、フラレたの? かっわいそう」 ……こいつぅぅぅぅぅ。 ほんと、むかつく! 「だいたいねぇ、今時なぜ暴走族なのよ? その存在だけで、ひいてしまう人だっているんだよ!時代遅れもいい所だと思わないの?」 「お前、ソレオヤジやオフクロの前で言ってみな?しめられるぜ」 ………そうだった。 遙のおばちゃんもおじちゃんも、バリバリのヤンキーだった。 でも、今は更正されてるけど。  遙の背後にチラチラと見える『魔怒』と書いてマッドと読むチーム旗に、たくさんの刺繍が入った特効服。
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