2 子供扱いするんじゃねぇ

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そりゃ、さすがにヤンキー全盛期みたいにパンチパーマやリーゼントとかじゃないし、眉だって全ソリじゃないんだけど、かなり鋭くつり上がるように整えられた眉に、鋭い切れ長の目。 どちらかと言うと、パーツの一つ一つは整っているし、時代劇とかに出演してそうな日本男児系の男前。  それに、ケンカが強くなりたいためなのか、知らないけど、ボクシングジムにも通っているから、きれいに成長しつつある筋肉。 ああ、それなのに、それなのに………。 なぜにゾッキーなんだろうか?  黒基調のパーカーを素肌の上から羽織ってるだけだから、かなり露出度が高くて、胸板が目に入る。 ソコに小さく赤い内出血の跡が見えた。 「ケンカばっかりしてるから、傷つくるんだよ?ソコ、赤くなってる」 遙はあわててパーカーのチャックを閉めて、私からその跡を見えないようにした。 「別にいいだろ? 志緒理には関係ない!」 何が気に入らないのか、そのままパタンと窓を閉められてしまった。その直後にカーテンまで………。 あら? 何で? ちょっと心配してあげただけなのに、こんな態度に出られるのかしら??  ホント、昔はすっごくかわいかったのになぁ。 おばちゃんの影に隠れて、挨拶もまともにできないくらいシャイだったのに、いつの間にか、身長も抜かされてるし………。 「おっはよ!志緒理、昨日はどうだった?」 植山くんを紹介してくれた友達の恵美は挨拶なんかよりも、断然コッチの方が興味ありって感じで、目を輝かせている。 うーん………。 「ごめん!どうも無理みたい。 デートの最初で遙とすれ違っちゃってさ…、思い切り引かれた感じ。やっぱりヤンキーと知り合いってダメだよね」 「え~~~、そんな事ないよ? 遙くんって、この前の子でしょ? けっこうかわいい顔してるから、植山がやいちゃっただけかもよ?」 いや、多分違う。 妙によそよそしくなったんだもん、遙と会ってから…。 「ま、植山がダメでもたくさんいるから、いつか絶対ダブルデートしようね♪」 「なぜにダブルデート?二人で会ってる方が楽しいんじゃないの?」 恵美は少し顔を赤くして、制服のブラウスのボタンを2つ外した。 「見て、コレ」 鎖骨に内出血の跡。
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