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「痛そう、大丈夫?」
「………志緒理って、バカだよねぇ。
コレはキスマーク!最近、和也ってば会うとすぐにしたがって……。だから二人で会うよりは他の人がいた方が、楽しいだろうなって思ったの」
恵美の話は最後の方はほとんど聞いちゃいなかった。
だって、内出血って………。
昨日、遙にもなかった?
アレって、もしかして、キスマーク??
うっそ?
アイツってまだ、中学生だよ?
でも、胸のど真ん中にどうやったら、内出血なんかできるんだろうって思ったし……。
マジでキスマーク?
あいつ、許せない!!
人の恋愛ぶちこわしておいて、自分だけちゃっかり彼女作ってるなんて!!
くっそ、今日帰ったら文句言ってやるんだから!!
「遙!開けなさいよ!」
帰宅して、真っ先に窓辺に行った。
「今日は何だよ?」
すごくぶっきらぼうに窓を開け放つ遙は、今日はTシャツだから、キスマークも見えない。
でも、アレって絶対キスマークだよね?
「シャツ、脱いでみなさいよ」
遙は一瞬、こめかみをピクリと動かしたものの、志緒理にソレを隠すようにわざとおどけて見せた。
「何?志緒理ってばこんな夕暮れから大胆なんだからぁ。オレのヌードが見たいなら、高いよ?」
んもうっ!
「そんなんじゃないって!
遙、胸の所に内出血あったでしょ?
アレ、ちゃんと見せてよ!!」
「いや~ん、志緒理ちゃんエッチなんだからん。そんなに見たい?」
……いや、別に見たいわけじゃない。
そうよ、別に遙にキスマークがついていようが、いまいが関係ないじゃない。
何をムキになってるのかしら、私?
「そんなことよりさっきから志緒理の携帯光ってるけど?」
え?
机の上に置いてある携帯に目をやると、確かに着信している。
「はいはい、もしもし?」
あわてて、ボタンを押すと暢気な恵美の声だった。
『コンパのメンバーそろえたから、明日待ってるね♪』
「私、行くって言ったっけ?」
『だって、失恋した志緒理のために友達に無理に頼んだんだよ!!』
失恋って……。
そうだ、植山くんからあれ以来電話もメールもないや。
忘れてた!!!
「で、コンパになったわけ?」
違うと思う。
人の失恋に便乗して、彼氏とみんなで遊びたいだけだと思うけど………。
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