2 子供扱いするんじゃねぇ

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「痛そう、大丈夫?」 「………志緒理って、バカだよねぇ。 コレはキスマーク!最近、和也ってば会うとすぐにしたがって……。だから二人で会うよりは他の人がいた方が、楽しいだろうなって思ったの」 恵美の話は最後の方はほとんど聞いちゃいなかった。 だって、内出血って………。 昨日、遙にもなかった? アレって、もしかして、キスマーク?? うっそ? アイツってまだ、中学生だよ? でも、胸のど真ん中にどうやったら、内出血なんかできるんだろうって思ったし……。 マジでキスマーク? あいつ、許せない!! 人の恋愛ぶちこわしておいて、自分だけちゃっかり彼女作ってるなんて!! くっそ、今日帰ったら文句言ってやるんだから!! 「遙!開けなさいよ!」 帰宅して、真っ先に窓辺に行った。 「今日は何だよ?」 すごくぶっきらぼうに窓を開け放つ遙は、今日はTシャツだから、キスマークも見えない。 でも、アレって絶対キスマークだよね? 「シャツ、脱いでみなさいよ」 遙は一瞬、こめかみをピクリと動かしたものの、志緒理にソレを隠すようにわざとおどけて見せた。 「何?志緒理ってばこんな夕暮れから大胆なんだからぁ。オレのヌードが見たいなら、高いよ?」 んもうっ! 「そんなんじゃないって! 遙、胸の所に内出血あったでしょ? アレ、ちゃんと見せてよ!!」 「いや~ん、志緒理ちゃんエッチなんだからん。そんなに見たい?」 ……いや、別に見たいわけじゃない。 そうよ、別に遙にキスマークがついていようが、いまいが関係ないじゃない。 何をムキになってるのかしら、私? 「そんなことよりさっきから志緒理の携帯光ってるけど?」 え? 机の上に置いてある携帯に目をやると、確かに着信している。 「はいはい、もしもし?」 あわてて、ボタンを押すと暢気な恵美の声だった。 『コンパのメンバーそろえたから、明日待ってるね♪』 「私、行くって言ったっけ?」 『だって、失恋した志緒理のために友達に無理に頼んだんだよ!!』 失恋って……。 そうだ、植山くんからあれ以来電話もメールもないや。 忘れてた!!! 「で、コンパになったわけ?」 違うと思う。 人の失恋に便乗して、彼氏とみんなで遊びたいだけだと思うけど………。
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