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居酒屋の店長は皆天然…
俺の考えは完全に違っていたみたい
「どうして一度言った事を覚えられないんだ!!…どいて!!」
『す、すいません!』
この店長さん…実はめっちゃ厳しかった
面接して貰ってその日に初出勤
仕事内容も何となくならわかると言う俺の甘い考えも全然違っていた
今まで客として居酒屋を見ていたのと実際に働くのは違うんだ
「それはもういいから次はこっち!」
『はい』
尾澤さんの居酒屋並みには混んでないと思うけど…なかなかハードだ
―――――
店長さんにも怒られ、他のバイトの人達にも怒られ…初出勤だから間違えたりするのは仕方ないのだが俺の場合は相当酷かったらしい
おかしい…自分ではまぁまぁ仕事が出来る奴だと思っていたのに
前の仕事に慣れすぎてしまってたのかな
「お疲れさん」
『あ、お疲れ様でした』
事務所で座っていると次々挨拶される
『………ふぅ』
俺も早く着替えて帰る準備しなくちゃな
帰る場所は駐車場に停めてある車の中だけど…
「お疲れ様。初出勤はどうだった?」
立ち上がった時、丁度事務所に入って来た店長さんに声を掛けられた
どうだったって聞かれても…
『いや…すいません。なんか迷惑ばっか掛けちゃったみたいで…』
「迷惑だなんて思ってないよ!今日入ったばっかだから仕方ないって」
じゃあ何故貴方は俺に怒鳴ったのです…
まぁいっか
「…これからどうするんだ?」
『え?』
「家」
『あ…今日はもう遅いんで明日不動産に行ってみるつもりです』
「早く見つかるといいな」
『はは…有り難うございます』
その前にこの近辺に不動産があるのかさえまだ何もわからない
とりあえずそれから捜さなきゃ
……あ、店長さんに聞けば何かわかるかな?
『すいません。この近くに何処か不動産とかありますか?』
「不動産なら何処にでもあるだろ~…」
『オススメの不動産とか…』
「オススメか…まぁ不動産にも当たり外れがあるからな」
『店長さんはマンション住まい…ですか?』
「え?あ…まぁな。でも俺の所の不動産はここから少し遠いからなぁ…確か名刺が何処かに…」
店長さんはそう言いながら自分の鞄の中から束になったカードらしき物を取り出した
「えー…あれ?確かここにあったはず…えーっとちょっと待っ……ぅわっ!」
店長さんの両手から次々カードが床にばらまかれた
あらら…
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