1、屋上の人影。

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声がした方向を見ると、屋上の出入り口に、男子生徒が1人立っていた。 スリッパの色を見て、あたしはこの人が1学年上の先輩だということを確かめると 「いや、えと…」 と、言いかけ言葉に詰まった。 いきなり見知らぬ先輩に、さっき見たできごとを話すのもな…… あたしがためらっていると、ふー、と息を吐き、先輩は冷めた表情で 「あのさぁ、あまりここ(屋上)には近づかない方がいいよ」 と、言い放ち、校舎の中へ戻っていった。 「え……どういうこと?」 あたしは先輩が言った意味がわからず、ただ屋上の出入り口を見つめたまま、たたずんでいた。
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