32人が本棚に入れています
本棚に追加
昨日のフェンスの方に目をやると、そこには…
「え、うそ…また?!」
フェンスをよじ登る男子生徒の姿があった。
昨日の先輩じゃない……誰だかわかんないけど、止めなきゃ!
あたしは男子生徒の元へ走った。
フェンスをよじ登り、男子生徒の足を掴む。
男子生徒はビクッとして、あたしの方を振り返る。
「何があったか知らないけど、自殺なんてやめて!」
と、あたしが言うと、男子生徒は目を丸くして
「自殺?なんのこと?それより、足離してくれないと、あんたも……」
言いかけると同時に、バランスを崩してフェンスから滑り落ちた。
もちろん、あたしは男子生徒の足を掴んだまま、一緒に裏庭の方へと落下。
あたし死ぬんだ。
目をつむり、あたしはそう思った。
16歳で死ぬなんて、あんまりだよ。
人生これからっていうときに、あたし見知らぬ男子生徒と死ぬなんてさ…
最初のコメントを投稿しよう!