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少し気を良くしオーナーの元へ向かい帰りの報告をする。
「終わりました。お先に失礼します。お疲れ様でした」
オーナーは自分の手元の機械に視線をやったまま軽く頷いた。
背中を向け出口に向かおうとすると機械の音が止まった。
「根中」
根中一一オレの名前だ。
振り返ってオーナーと向き合う。
「はい」
「この仕事はどうだ」
オーナーがオレに質問をした。
珍し過ぎて驚いてしまう。
「えっ、この仕事ですか……なんて言うか、その、僕にはとても有り難いです」
「そうか。明日も頼むぞ」
「は、はい……」
そうしてオーナーは再び自分の手元に視線を落とす。
何だったんだろう。気になって仕方がない。
「何か……あったんですか」
その質問にオーナーは首を一度だけ横に振って応えた。
それだけで収まりが着かないオレは咄嗟に口を開いていた。
「もう僕を使う必要がなくなったとかじゃ」
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