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内心答えを聞くことが怖かったがオーナーはすぐに首を横に振った。
それじゃなんだったんだろう。
寡黙なオーナーに何度も質問するのは気が引けるが、オレも気になってすぐにはそこから動けなかった。
「気になるのか」
「はい」
永く感じる僅かな沈黙の後、ゆっくりと口を開いた。
「この仕事は若い人間には向かん。お前が続けられるならそれでいい」
オーナーはそうオレに伝えた。
そうか、オーナーなりにオレを気遣ってくれたんだ。
今なら話し掛けやすいタイミング。
オーナーは一度仕事に手をつけだすと取り付くしまも無い雰囲気を発する。
オーナーが仕事に取り掛かる前に口を開いた。
「あの……オーナーって趣味や特技って何かあるんですか」
「ない」
相変わらず表情を変えずにそう答えた。
たった少しのコミュニケーションも許されなかったオレは気を落とした。
そんなオレの表情を察知してか、オーナーは重そうではあるが口を開いてくれた。
「……だがな、特技でもないが武道を習っていた」
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