1171人が本棚に入れています
本棚に追加
「また……か……」
首の周りが汗で滲み、不快感を感じたまま目を覚ます。
いつも見る夢だ。
ただ暗闇の中にいるだけの夢。
その夢の世界には誰もいない。何もない。
暗闇だけの世界。目を開けているか、いないかもわからない。
話しかけても何も返ってこない。
布団の中で身体をねじると汗を含んだシャツが背中からはがれる。
時計を見るとまだ起きるには早い時間。
無理に自分を寝かしつけようとしても、夢の続きを嫌う思いの方が勝り脳は覚醒へと誘われる。
結局は何も変わらない。
夢も現実も同じだ。
自分には何もない。
オレが生きる現実は夢との違いはたいしてないんだ。
最初のコメントを投稿しよう!