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そんな言葉を耳にする度に当時は子供ながらに思ったものだ。 僕が一体何をしたって言うんだよ……と。 だからこそ 大切にできる家族 共に笑い合える友人 愛し合える恋人 そんな人が欲しかった。 何もないオレは暖かい居所を求めた。 子供のオレは父親に何度もそれを望んだが叶わぬ夢だった。 ただ今となっても友人も恋人もつくる術を知らない。 今までオレに友達なんて一人もいなかった。 たったの一人も。 保育園の頃は少しは話してくれる子もいたが、せいぜいその程度。 小学生にもなって余計な知恵がついてくると、差別やいじめを覚え始める。 そうして大人になった今現在、職場には世間に無関心なオーナーとオレだけ。 友人を求める環境でもない。 結局はいつまでも一人なんだという事を思い知らされる。
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