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第1章~突然の出会い~
正治は焦っていた。
完全な寝坊で遅刻寸前なのである。
母親の作った朝食には目もくれず家を飛び出した正治。
「やっべぇ、全速力でもギリかちょい遅刻だぁ~。うがぁぁぁぁ」
彼は決してスポーツ万能な訳ではない。
むしろ容姿から何から全てが平均的の、いわゆる何処にでもいる高校生だ。
そんな彼の通う高校までは徒歩で30分、走って15分強の場所にある。
現時刻は8時20分。
30分までに教室に着かないとアウトなのである。
全速力を決め込む正治。
(あの角を曲がれば後は直線だけ。よしリアルにギリギリか。)
安堵の表情を見せつつも全速力は止めない。
全速力の勢いを殺さず曲がり角に差し掛かったその時。
ドシンッ!!
正治は一瞬何が起こったかわからなかった………
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