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「いててて。っっっ!!」
正治の横で倒れている1人の少女がいた。
名門校のラ・クレール学園の制服を身に纏う少女。
身長は140前後、茶色の髪はツインテールになっていて、とても高校生には見えない風貌の少女だ。
ランドセルを背負わせても似合う程に。
そんな事を心の中で思いつつ正治は彼女に声を掛けようとした時だった。
「あの、大じょ…」
「あんた何様のつもりっ?この私にぶつかっといて手も差し出さないなんて。まったくゴミみたいな精神の持ち主ね。」
いきなり耳をつんざくような声で罵倒される正治。
幸い正治の学生鞄が彼女が倒れる時にクッション代わりになり、怪我は無かったみたいだが、その後の対処の仕方が気に入らなかったらしい。
「はぁ。これだから愚民は嫌いなのよ。やだやだ。あなたと一緒に居ると愚民が移るわ。」
少女は捨て台詞を吐きその場を去って行った。
正治の精神はまるでビルが崩壊するようにぐしゃぐしゃにされてしまった。
彼はMではないのだ。いや、正確にはドMではないか。
ガックリとうなだれながら、正治は遅刻確定の学校へ向かうのだった。
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