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怖い…けど正論だ。
だけどまだショックだった。
だって男なんだ。男でこんな……確かに幼い頃、女の子と間違えられて誘拐されそうになったり、知らないおじさんに変なの見せられたり触らせられたりした事はある。だけど高校生になって……もう見た目でも男だってわかる男にこんな事されるなんて……
されるほうも原因あると思うけど、でもそれでも……
「気をつけます…」
怖かったんだ。
だから助けてくれて嬉しかった。
情けないけどこの人に助けられなかったら…僕。
「………」
「…?」
まただ。
また。
じっと僕を見る。
「な…」
なんでじっと僕をみるのか言おうとした時、電車が停止した。
駅名を見ると僕が降りる駅に止まっていた。
「わ!早く出ないと」
都会の電車はあわただしい。
すぐに出ないとすぐにしまって発車してしまう。
ふと後ろをみると助けてくれた男はいなかった。
降りたのか、それともまだ電車の中にいるのかわからない。
だけどもう二度と会う事はないだろう。
そう、この時の僕は思っていた……
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