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双子の妹たちを見送った一護は、
残された食器を手早く片付け、
自分も遅れないように
バタバタと身支度を整えて
家を後にした。
* * *
家を出てすぐのところに
一護と同じ学校の男子生徒が、
ブレザーのポケットに
手を突っ込んで立っていた。
1年生からの友人、
小島水色である。
水色は一護の顔を見るなり
笑みを浮かべて挨拶する。
「おはよ」
「おーーす!
じゃ、行こうぜ水色」
「うん。」
一護の生活は、
もう普通の人間だった。
ほんの1年とちょっと前までは、
死神代行として、
たくさんの“整”の魂魄を
尸魂界に送り込み、
たくさんの虚を退治してきた。
幽霊も毎日見ていた。
だが今は死神の力どころか
霊力もない―――。
ごくごく普通の高校生と
なっていた。
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